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「マンションなら安全」という思い込みが、実は最も危険な落とし穴です。オートロックや防犯カメラがあるからといって、侵入犯罪の脅威がなくなるわけではありません。警察庁の統計資料によれば、住宅侵入盗窃事件の約3割が共同住宅で発生しており、その多くは「無施錠の玄関や窓からの侵入」です。「うちはセキュリティ対策済みだから大丈夫」と考えている人ほど、実は隙が生まれやすいとも言えます。一人暮らしの女性がマンションで安心して過ごすには、建物側の設備に頼るだけでなく、自分自身の防犯対策が不可欠です。
では、何から始めれば良いのか。警察庁「住まいる防犯110番」のデータから導き出された最重要な指標があります。それは「侵入に要する時間」です。犯人が侵入を諦める時間は10分以内で約9割に達します。つまり、10分間「入られない環境」を作ることができれば、大多数の侵入リスクを防ぐことができるのです。
本記事の目的は、玄関ドアのダブルロックから窓の補助錠、生活習慣の工夫まで、すぐに実践できる防犯対策7つを、費用のかからないものから順にわかりやすく解説することです。建物の設計段階から組み込まれた対策と、あなた自身が今日から始められる工夫を組み合わせることで、初めて真の安心が得られます。特に新社会人として一人暮らしを始めた女性にとって、外部からは「狙われにくい存在」になることが何より大切です。本記事を読むことで、複数のハードルを組み合わせた多層防御のメリットと、費用をかけずに実行できる具体的な対策方法が身につきます。
【現状分析】マンションなら安全という誤解?統計から見る侵入犯罪のリアル
「マンションなら安全」という思い込みは、実は防犯対策を考える上で最も危険な誤解です。オートロックや防犯カメラが設置されているからといって、侵入犯罪の脅威がなくなるわけではありません。むしろ、こうした設備への過信が油断を招き、結果として被害に遭うケースは少なくありません。
警察庁の統計データを見ると、住宅で発生する侵入盗窃事件のうち、共同住宅(マンションやアパート)での被害は全体の約3割を占めています。驚くべきことに、その多くはセキュリティ設備の破壊ではなく、「無施錠の玄関や窓からの侵入」が原因なのです。つまり、犯人は複雑な技術を使うのではなく、単に「鍵がかかっていない隙をついている」という現実があります。
また、被害件数を階数別に見ると、意外かもしれませんが、4階以上の中高層階でも強盗や空き巣が多く発生しています。屋上から縄を使って下りてくる「下がり蜘蛛」という手口や、非常階段・共用廊下からの侵入など、高層だからこそのリスクも存在します。オートロックで1階のエントランスを守っても、窓やベランダ、あるいは駐車場・駐輪場といった共用部を経由する侵入リスクは別の問題として対策が必要です。
防犯対策の効果を測る上で重要な指標に「侵入に要する時間」があります。警察庁のデータによれば、犯人が侵入を諦める時間は、2分以内で約17%、2分超5分以内で約51%、そして10分以上で約9割に達します。つまり、10分間「入られない環境」を作ることができれば、大多数の犯人を寄せ付けないことが可能です。建物の設計段階から、侵入に時間をかけさせる工夫を施すことの重要性がここにあります。
アコルデ蔵町は、こうした統計データに基づいて、玄関ドアに窓を設けない、ベランダそのものを撤去する、オートロックをあえて開き戸で構成するなど、設計・施工段階からの防犯を徹底しています。さらに、顔認証システムや防犯カメラによる継続的な監視で、物理的な対策と管理面での対策を組み合わせることで、統計的に「狙われにくい建物」を実現しています。こうした対策は入居者の安心だけでなく、建物としての資産価値を維持する意味でも意義があります。
本記事では、こうした「建物側の対策」と「入居者が自ら実践できる対策」の両方を解説していきます。マンションの設備に頼りつつも、自分自身の防犯意識を高めることで、初めて真の安心が得られるのです。

犯人が嫌がるのは「5分の抵抗」!マンション防犯の基本原則
防犯対策を考える際に、最も重要な指標があります。それは「侵入に要する時間」です。これはマンションに限らず戸建て住宅の防犯性能試験でも用いられている考え方で、この時間を意識することで、どのような対策を優先すべきかが明確になります。
「10分以内で9割が諦める」という統計
警察庁の調査データをもう一度詳しく見てみましょう。犯人が侵入をあきらめる時間帯は、2分以内が約17%、2分を超えて5分以内が約51%、5分を超えて10分以内が約23%です。合計すると、10分以内でおよそ9割の犯人が侵入を諦めるということになります。つまり、「10分間、侵入を防ぐ環境」を作ることができれば、統計的にほぼすべての侵入リスクに対応できるわけです。なお、国土交通省や警察庁等の官民合同会議が定める「防犯性能の高い建物部品(CP部品)」の基準では、侵入までに5分以上抵抗できることが一つの目安とされています。「5分」と「10分」、どちらの数字も覚えておくと、対策の優先順位を考えるときに役立ちます。
この統計から導き出される原則が、防犯対策の基本となります。高性能な鍵やシステムに頼るのではなく、「時間がかかる、面倒だ」という状況を物理的に作ることが最も効果的だということです。
複数の対策を組み合わせることの重要性
では、この「10分の抵抗」をどのように実現するか。大切なのは複数の対策を組み合わせることです。単一の錠前を強化するだけでは、その一つの方法を突破されてしまえば終わりです。しかし、異なる種類の錠を組み合わせた「ダブルロック」なら、犯人は二つの異なる突破技術を用意しなければなりません。玄関ドアに電子錠とディンプルキーを併用するのはこのためです。また、玄関の対策を施しても、窓からの侵入を許せば意味がありません。窓の上下に補助錠を分散配置し、ガラス破りに対する防犯フィルムを施すことで、やはり「複数のハードルを越えなければ侵入できない」という状況を作ります。賃貸であれば退去時の原状回復を考慮し、鍵の交換や補助錠の購入といった費用のかからない範囲から着手するのが現実的です。
心理的な抑止力と視覚的情報
さらに重要なポイントが、心理的な抑止力です。外から見た時に「この場所は対策されている」と一目で分かることが、犯人の侵入意欲を大きく削ぎます。複数の錠前が見える、防犯カメラの存在が明らか、足場になるものがない、といった視覚的な情報が重なることで、犯人は「ここは手間がかかりそうだ」と判断し、別の物件へ狙いを変えるのです。玄関先や共用部にセンサーライトが設置されている、夜間でも足元が明るいといった「光」の情報も、警戒レベルの高さを印象づける効果があります。
アコルデ蔵町での多層的な防犯対策
アコルデ蔵町では、この「複数のハードルを組み合わせる」という思想を、設計段階から徹底しています。ベランダという足場そのものを撤去することで、窓からの侵入経路を物理的に困難にしています。玄関ドアポストを廃止することで、サムターン回しや覗き見といった隙間からの攻撃を未然に防いでいます。こうした設計上の工夫と、顔認証システムや防犯カメラによる監視を組み合わせることで、初めて「10分耐える建物」が実現するわけです。そのため、入居者が特別な工夫をしなくても、建物自体が一定の抵抗時間を確保できる設計になっています。
皆さんが今、お住まいの物件がこうした多層的な対策を備えていなかったとしても、心配する必要はありません。次のセクションでは、個人で実践できる「7つの対策」を詳しく解説していきます。
共用部の盲点を突かせない!オートロック付き物件でも注意すべきリスク
オートロック付きのマンションに住んでいれば、セキュリティは万全だと思い込んでいないでしょうか。実は、オートロックシステムそのものには、想像以上に大きな盲点が隠れています。
最も多いリスク「共連れ」とは
最も多いリスクが「共連れ」(テイルゲート)です。これは、入居者がエントランスのオートロックを解錠して入る際に、後ろから別の人物が一緒に侵入する手口です。「宅配業者かな」「同じ建物の住人だろう」と思って、ドアを開けたまま待ってあげてしまう。この瞬間が、犯人にとって最も簡単な侵入経路になるのです。扉を押す・引くという能動的な動作が不要な「自動ドア」タイプのオートロックであれば、後ろの気配に気づきにくく、無意識に共連れが起こりやすくなります。
設計の工夫による対策
一般的なマンションの多くは、暗証番号やカードで解錠すると自動的にドアが開き続けるという構成になっています。しかし、アコルデ蔵町では異なるアプローチを採用しています。セキュリティゲートを通った後、開き戸(片開き扉)という構成にすることで、入居者が自分の手で押し開ける動作が必ず必要になります。この一手間が、後ろの人の気配や足音に自然と意識を向けさせ、無意識の共連れを起こりにくくするわけです。2023年からは顔認証システムを導入することで、暗証番号の使い回しや他人への番号共有といったヒューマンエラーも排除しています。

共連れ以外のリスク
共連れ以外のリスクも見落とせません。エントランス以外の出入り口、特に非常階段やゴミ置き場付近の死角から、不審者が侵入するケースも多くあります。一見セキュリティが万全に見えても、共用部全体が監視されていなければ意味がありません。分譲マンションにお住まいの場合は、管理組合を通じて共用部の防犯カメラ増設や照明改善を提案・相談してみるのも一つの方法です。賃貸の場合は、管理会社への相談が同じ役割を果たします。
入居者が心がけるべきこと
では、入居者として何を心がけるべきか。まず大切なのは「感じが悪い」と思ったら無理に対応しないことです。見知らぬ人がすぐ後ろにいるなら、自分だけ先に入ってドアを閉めても問題ありません。ドアを塞いだり、相手に「どちらですか」と声をかけたりする必要はまったくありません。不審な相手とその場でやり取りをして無用なトラブルに発展させるより、まず自分の安全を確保することが最優先です。
管理体制と防犯カメラの役割
気になった出来事があれば、管理会社に報告することをおすすめします。アコルデ蔵町では、エントランスや共用部に防犯カメラを設置し、録画データは1ヶ月以上HDDで保管しています。不審な立ち入りが発生した場合も、後から映像で経緯を確認し、必要に応じて警察に提供できる体制を整えています。カメラの存在自体が、共連れを試みようとする側への抑止力にもなるのです。
内見時にチェックすべきポイント
スケルトン構造(外からも中からも見通しが良い設計)も重要なポイントです。視認性が高ければ、不審者は「隠れて侵入する」ことが難しくなり、入居者側からも背後や周囲の様子が見えやすくなります。内見の際は、エントランスやエレベーターホールの見通しが良いか、死角がないか、防犯カメラがどの位置に設置されているかを確認してみてください。最近は物件情報サイトの写真や動画である程度の構造的な特徴をつかめることもありますが、実際の見え方や音の伝わり方は現地でしか分からないため、可能な限り内見時に自分の目で確かめることをおすすめします。こうした細かいポイントの積み重ねが、建物全体の防犯性を大きく左右するのです。
【玄関・窓編】物理的に侵入を諦めさせる最強の防犯対策4選
ここからは、実際に皆さんが今すぐ実践できる防犯対策を、具体的に4つ紹介していきます。これらの対策は、特別な工事や高額な費用を必要としないものばかりです。大切なのは「複数のハードルを組み合わせる」という発想です。
異種錠のダブルロック
玄関ドアの最も基本的な対策が、ワンドア・ツーロックです。つまり、一つのドアに二つの異なる種類の錠前を取り付けるということです。
これがなぜ効果的かというと、犯人の視点で考えるとよく分かります。ピッキングやサムターン回しといった鍵を直接攻撃する手口は、実は全体の1割未満で、大多数の侵入は「無施錠」か「ガラス破り」によるものです。特殊な工具を使わずに行われる犯行がほとんどだという点は、意外と知られていません。しかし、もし侵入を試みるなら、一つの錠前の突破方法を用意すれば十分だと考えるかもしれません。
ところが、玄関ドアに電子錠とディンプルキーという二種類の錠が並んでいたら、どうでしょうか。電子錠を無視して、ディンプルキーに対応する工具を用意したとしても、電子錠が残っています。逆もまた然りです。犯人は「二つの異なる方法で同時に対策されている」という状況を見て、手間がかかりすぎると判断しやすくなるのです。
賃貸物件にお住まいの場合でも、工事不要の補助錠が市販されています。クレセント型の補助錠であれば、穴を開けずに取り付けられます。外から見て「鍵が2つある」と分かるだけでも、侵入意欲を低下させる効果があります。

玄関ドアポストの排除とポスト周りの対策
玄関ドアに付いている郵便受け(ポスト)は、単なる郵便物の受け取り口ではなく、実は複数のセキュリティリスクが重なっている場所です。
まず、ポストの投函口は室内と屋外を繋ぐ小さな隙間です。ここから室内を覗かれると、「今、部屋に人がいるか」「どんな生活をしているか」といった情報が外部から把握されてしまいます。空き巣犯は事前の下見で、こうした情報を集め、ターゲットを決めています。
さらに深刻なのが「サムターン回し」という手口です。ポストの投函口から特殊な工具を差し込み、室内側の玄関ドアのつまみ(サムターン)を外部から直接回して解錠するというものです。鍵穴を攻略する必要がなく、「合法的な隙間」であるポストを経由するため、いくら錠の性能を上げても、この経路が残っている限り対策不十分です。
また、個人的な恨みやストーカー被害が背景にある場合、爆竹や汚物といった危険物・不快物をポストから投函されるリスクもあります。
オートロック付きの集合住宅であれば、そもそも玄関ドアに郵便受けを設ける必要性は薄いという考え方があります。アコルデ蔵町では、この観点から玄関ドアポストを設けていません。郵便物は集合ポストで受け取り、宅配物は宅配ボックスで対応するという別の動線を用意することで、玄関ドア自体に外部と通じる隙間を作らないという設計思想です。宅配ボックスは受け取りの手間を省ける便利な設備ですが、防犯という観点でも「玄関に外部との接点を作らない」という一石二鳥の役割を果たしています。
もし現在のお住まいに玄関ドアポストがある場合は、サムターンガード(つまみを覆う部品)の取り付けを検討してください。これなら工事も必要なく、サムターン回しの侵入経路を物理的に塞ぐことができます。
窓の防犯フィルムと補助錠による分散配置
窓は、玄関の次に最も多い侵入経路です。3階建て以下の共同住宅では、侵入口全体の約57%が窓からです。これだけ多いのに、窓の対策を後回しにしてしまう人は少なくありません。
窓からの侵入手段の大多数は「ガラス破り」です。ただし、窓全体を割って人が通れる穴を作るわけではなく、クレセント錠(窓の鍵)のすぐ近くだけを小さく割り、手を入れて解錠するというのが典型的なやり方です。つまり、防犯対策も「窓全体に均等に施す」のではなく、「鍵の周り」を重点的に守ることが重要です。
防犯フィルムを選ぶ際のポイントとしては、厚みが0.2mm以上の製品を目安に、フィルムの端がしっかり枠に届いて剥がされにくいものを選んでください。市販の「防犯合わせガラス用フィルム」が参考になります。賃貸物件にお住まいの場合は、退去時にきれいに剥がせる「粘着剥離可能」タイプを選ぶことをおすすめします。
補助錠についても、「上下2点」に分散配置することが大切です。クレセント錠のすぐ隣に補助錠を付けても、ガラスを1箇所割られれば両方に手が届いてしまい、効果が薄れます。窓の上部と下部など、1回ガラスを割っただけでは両方に手が届かない位置に分散させることで、「もう1箇所、別の場所を割らなければいけない」という状況を作ります。これが抵抗時間を大きく稼ぎ、侵入への心理的ハードルの高まりにつながる工夫になるのです。
外から見て「補助錠が付いている」と分かりやすい製品を選ぶことも有効です。統計上、犯人は下見の段階で「入りやすさ」を判断しているため、視覚的に「対策されている」と分かることが抑止力になります。「見た目が武骨で嫌だ」という声もありますが、最近はインテリアになじむデザインの補助錠も増えており、防犯性能とインテリアの両立を諦める必要はありません。

ベランダ環境の整理と視認性の確保
ベランダは、侵入者の「足場」になりやすい場所です。特に隣同士のベランダが繋がっている場合、侵入者は隣の部屋を伝って移動することができます。
最も効果的なのは、アコルデ蔵町が実施しているように、設計段階からベランダそのものを撤去することですが、これは既存の物件では難しいでしょう。現実的な対策としては、ベランダに置くゴミ箱や椅子、プランターといった物を片付け、「足場になるもの」を減らすことです。整理整頓を心がけるだけで、侵入者が上階へ移動するのに必要な時間が大きく増えます。実際、隣接するベランダ伝いに侵入された事例は各地で報告されており、足場を作らないことが被害の未然防止につながります。
同時に、ベランダから見える室内の様子も重要です。外からベランダ越しに部屋の内部が丸見えだと、不審者に「どの部屋に誰がいるか」を把握されてしまいます。ミラーレースカーテンなどを活用し、外からの視線を遮ることも有効な防犯対策です。
これら4つの対策は、それぞれが単独でも効果がありますが、組み合わせることで初めて「10分耐える環境」を作ることができます。玄関と窓の両方に複数のハードルを用意することで、侵入者が諦める可能性は劇的に高まるのです。
【生活習慣編】ターゲットにされないための「狙わせない」工夫3選
ここまで、建物の設計や物理的な防犯対策についてお話ししてきました。しかし、防犯対策は「建物側の備え」だけでは完成しません。皆さん自身の日々の習慣が、実は最も大きな防犯効果を発揮するのです。
犯人は物件を選ぶ前に、必ず「下見」をします。その際に見ているのは、設備の高さや錠前の種類ではなく、むしろ「この部屋は狙いやすいか」「住人はどんな生活をしているか」という生活情報です。ここからは、外部から見た時に「ここはターゲットにしづらい」と思わせるための、3つの習慣をご紹介します。
「不在」を悟らせない工夫
不在であることが外部から分かってしまう最大の要因は、「郵便物や宅配物の滞留」です。
玄関ドアに郵便受けがある場合、何日も郵便物やチラシが溜まっていることほど、「今、この部屋には誰もいない」という強いシグナルはありません。犯人はこれを見て、「今ならチャンス」と判断するわけです。
アコルデ蔵町では玄関ドアポストを廃止し、集合ポストと宅配ボックスを設置することで、そもそも各戸の「ポストに物が溜まっている光景」を作らない設計にしています。このような物件にお住まいの場合は、集合ポストをこまめに確認するという習慣だけで、不在のサインを与えにくくできます。
さらに有効な対策が「カーテンと照明の工夫」です。タイマー式の照明を活用し、不在時でも夜間に室内が点灯するようにしておくことで、外からは「人がいる」ように見えます。同時に、カーテンの開閉パターンを時々変えることも効果的です。毎日同じ時間に同じ状態が続くことが、外部から見た「不在のサイン」になり得るからです。逆に、照明のタイマー設定を忘れたまま長期不在にしてしまうと、かえって不自然さが際立つので注意してください。
最後に、一つ現代的な注意点として、SNSへの位置情報発信です。外出中や旅行中であることをリアルタイムで発信してしまうと、その情報は誰にでも見られる可能性があります。特に旅行中の更新は控えるなど、慎重な投稿習慣も防犯の一部だと言えます。
「女性の一人暮らし」と悟らせない工夫
新社会人の女性が一人暮らしをしている場合、外部から「一人の女性が住んでいる」と特定されることは、防犯上のリスクになります。これを最小化するための工夫をいくつかご紹介します。
表札の表記方法が一つです。フルネームでの表記は、性別や世帯構成の推測材料になります。名字のみの表記にする、あるいは表札そのものを控えめにするといった配慮が効果的です。
玄関先に置く傘も、見落とされがちですが重要です。傘の本数が1本だけだと、一人暮らしを推測されやすくなります。複数本、あるいはサイズ・色の異なるものを置いておくことで、他の世帯員がいるかのような印象を与えられます。
洗濯物の干し方についても同様です。外に干す際は、男性ものや異なるサイズの衣類を意識的に干すことで、生活者の構成が判断しづらくなります。ただし、集合住宅であれば、物理的にベランダが見えにくい設計(ミラーレースカーテンの使用など)を最優先に、その上で洗濯物の選別を心がけるという順序が良いでしょう。
ゴミ出しの習慣も意識してみてください。生活に関する情報は、ゴミの中身からも推測されます。特定の曜日・時間に必ず同じ行動を取るのではなく、可能な範囲でタイミングを変える、分別内容を工夫するといった工夫が有効です。
帰宅時の「即施錠」と宅配便対応
日々の最も基本的な習慣が「施錠の徹底」です。玄関ドアを開ける前に周囲を確認し、入室後1秒以内にドアを施錠する、そしてドアガードを掛けるという動作をルーティン化してください。手間はほとんどかからないにもかかわらず、防犯効果は非常に高く、真っ先に取り入れてほしい習慣です。
宅配便の受け取り時も気を遣う必要があります。インターホン越しの対応時に、必要以上に細かい情報(「一人です」など)を伝えないことが基本です。また、見知らぬ人が玄関に現れた場合、モニター付きインターホンで相手を確認してから対応することで、突然の不審者や詐欺師の接触を防ぐことができます。
これら3つの生活習慣は、かかる費用が少ないうえに工事も必要ありません。意識を少し変えるだけで、外部から「ここは狙いやすい」と思われる可能性を大きく減らすことができるのです。建物側の対策と、皆さん自身の習慣が掛け合わさってこそ、初めて真の防犯対策が完成するということを覚えておいてください。
さらに安心を求めるなら?ホームセキュリティの賢い選び方
ここまでご紹介した対策は、すべて皆さん自身で実践できるものばかりです。ダブルロックやポスト対策、生活習慣の工夫を組み合わせるだけでも、統計的には侵入リスクをかなり下げられます。ですので、「ホームセキュリティサービスに入らなければ危険」というわけでは決してありません。ここでは、それでも不安が残る方や、生活スタイル上どうしても習慣だけではカバーしきれない部分がある方に向けて、あくまで選択肢の一つとしてホームセキュリティを紹介します。
先に前提をお伝えしておくと、ホームセキュリティは万能ではありません。建物側の防犯設備と個人の習慣で「入られにくくする」のが防犯の基本で、ホームセキュリティが主に担うのは、万一侵入されてしまった場合の通知や駆けつけといった「事後の対処」の部分です。契約すれば絶対に被害を防げるというものではなく、月々の利用料が発生し続ける点も、導入前に冷静に見ておきたいポイントです。
ホームセキュリティが活躍するタイミング
それでも導入を検討する価値がありそうなのは、次のような場合です。
初めての一人暮らしをされる方は、鍵の管理や来客対応、宅配便への応対など、防犯上の判断をすべて自分一人で行うことになります。最初の数ヶ月は不慣れさから防犯の隙が生まれやすいため、外部からのサポートがあると心強いという声もあります。
仕事柄、帰宅が遅くなる、あるいは不規則になるという方も一つの目安です。帰宅時間が読みにくい方は、自分でタイマー照明を調整したり、ポストをチェックしたりという習慣を保つのが難しくなることがあります。
周辺で不審者情報や犯罪発生の報告があった場合や、同棲や家族構成の変化があった際は、生活習慣そのものを見直すタイミングとして、一時的な補強を検討してもよいでしょう。ただし、こうしたタイミングでも、まずは今回ご紹介したダブルロックや補助錠といった費用の少ない対策から見直すのが優先です。
ホームセキュリティの選び方のポイント
導入を検討する場合、確認しておきたい点をいくつか挙げます。
まず、「駆けつけサービス」の有無と内容です。センサーが通知するだけのプランと、警備員が実際に駆けつける体制がセットになったプランでは、月額料金も対応スピードも大きく異なります。24時間体制の常駐スタッフが控えているサービスもあれば、通知のみで実際の対応は入居者自身に委ねられるサービスもあるため、内容をよく比較してください。
次に、「スマートフォンでの通知・監視機能」です。外出中でも室内の状況を確認でき、異常があれば通知される機能は便利ですが、通知が多すぎて結局見なくなってしまう、といった声もあるため、実際の使い勝手は事前に確認しておくと安心です。
そして、「工事の必要性」と「解約条件」です。賃貸物件では大掛かりな工事ができないため、シール貼付型のセンサーで対応できるかを確認してください。あわせて、契約期間の縛りや解約時の違約金についても、契約前に必ず確認しておくべき部分です。この記事のページだけでは各社の料金プランや解約条件まで網羅しきれないため、複数社の資料を取り寄せて比較したうえで判断することをおすすめします。契約トラブルが心配な場合は、国民生活センターの消費者トラブル解説集のような公的な情報も参考になります。
個人情報保護の方針がしっかり記載されているか、詳細な利用者規約が用意されているかも、信頼できるサービス提供者を見極めるためのポイントです。カメラ映像がどこに、どれだけの期間保管され、誰がアクセスできるのかは、契約前に必ず確認しておきましょう。

アコルデ蔵町のセキュリティの考え方
アコルデ蔵町では、入居者見守りサービスのトライアル運用を行っています。ただし、これは建物側の24時間監視カメラや顔認証システムを置き換えるものではなく、あくまで希望する入居者向けの追加の選択肢という位置づけです。常駐の管理人がいるわけではない賃貸マンションだからこそ試験的に取り入れている仕組みであり、全員に必須というものではありません。
大切なのは、「ホームセキュリティに入れば安心が完成する」と考えないことです。個人の習慣や建物の設計・設備でどこまでカバーできているかを冷静に把握したうえで、それでも埋まらない部分があると感じた場合にだけ、上乗せの選択肢として検討する。この順番を間違えなければ、無駄な費用をかけずに、必要な範囲で安心を高めることができます。
本コラムでご紹介した7つの対策のうち、いくつかはすでに実践できているかもしれません。まだの対策があれば、費用のかからないものから一つずつ取り入れ、生活習慣を充実させていってください。防犯対策は「一度決めたら終わり」ではなく、生活スタイルの変化に合わせて見直し続けるものです。
※本記事は2026年7月時点の情報をもとに作成しています。統計データの詳細は警察庁「住まいる防犯110番」、政府広報オンライン「空き巣や強盗から命と財産を守る『住まいの防犯対策』」をご参照ください。防犯優良マンション認定制度については公益財団法人全国防犯協会連合会、三重県内の制度についてはNPO法人三重県防犯設備協会のサイトで確認できます。